記録のための文書

正しい内容を書き残す

文書管理の実力が最大限発揮されるのは記録のための文書を作成する時です。
詳細な内容を記録として書き残す必要がある場合や、要点をまとめて簡潔にする場合もあります。

議事録

職場内などの会議でどのような内容の議題が話し合いされて、どのような結論になったのかを記録します。
全ての内容を書き残すのは大変な作業になり、議事録を見る人にとっても大変な労力になります。

議事録をまとめる際には簡潔な文書になるように心がけて下さい
一般的な様式は決まりがあるため、その内容に沿ってわかりやすくまとめましょう。

議事録の中で絶対に記載する内容は会議を開いた日時と場所、出席者、議題、議事の経過や結果です。
これらの項目だけは絶対に外せないので特に議事の経過や結果についてはメモを残しながらまとめてください。

人事録

職場内の人事を記録している文書を人事録と言います。
官公庁や各自治体の職員は職員録として記録に残されている場合が多いです

人事録では職場の部署と役職、個人名が記載されています。
個人名の後に敬称を付ける必要はありません。

場合によっては職場の電話番号が記載される場合もあります。
職場の中にはあらかじめテンプレートが決められている場合があるため、事例に沿って適切に記載する必要があります。

人事異動がある度に記載内容が変更されるため、文書管理を行う方は大変な思いをされる場合があります。

統計やデータ

職場によってはこれまでの実績を示すために統計をまとめた文書を作成する場合があります。
表やグラフを作成する場合があるため、文章の作成能力以外にも図形の作成能力を習得する必要があります。

表を作成する場合はマイクロソフトの表計算ソフト・Excelが便利です。
簡単にわかりやすい表を作成できるだけでなく、表計算も簡単に実装できるため、わかりやすい統計データを作成することができます。

Excelの使い方はパソコン操作に慣れている方なら直感的に使いこなせると考えられます。
基本的には表作成のスキルがあれば良いので、難しいマクロを組むスキルまでは求められません。

Excelは入力したデータを元にして簡単にグラフを作成する機能も備わっています。
作成できるグラフは棒グラフや折れ線グラフ、円グラフなどわかりやすく記録を表示させる機能がしっかりと備わっています。

グラフの作成となれば難しそうに感じる方も多いですが、データを入力してどのようなグラフのレイアウトを決めるだけなので特別難しいことはありません。

またExcelで作成したデータを活用してWordでグラフを作成することもできますので、使いやすい方を選択できます。
文書管理を行うためにはExcelやWordをある程度使えるスキルは必須になることを覚えておきましょう。

連絡のための文書

書くことが多い文書

文書管理の中で一番多い文書になると考えられるのが連絡のための文書です。
職場内だけでなく、職場外にも連絡するための文書を作成する場合が多いため、正しい書き方を理解していなければ恥ずかしい思いをすることになります。
様々な文書の書き方を理解して適切な文書管理を行って下さい。

連絡

職場内だけでなく、職場外にも通知する内容を記載した文書を作成する機会がたくさんあります。
文書管理を行う立場にある方なら必ず正しい書き方を抑えておきたいものです。

基本的に通知する内容がひと目でわかることが前提になります。
例えば職場内に連絡事項を通知する文書を作成する場合は、本文を記載する前に職場の従業員に対する簡単な挨拶と文書内容の概要を数行で説明し、内容の表題と本文がわかりやすく箇条書きにまとまっていることが必要になります。

本文の前には「記」と中央に記載して以下の文章が箇条書きになっていることを示すようにしましょう。
最後には「以上」と締めくくるようにして下さい。

依頼書

依頼書は主に職場外の企業や特定の人物に対してお願いをするための文書になります。
宛名の敬称を付ける際に注意したいのは、依頼する相手の会社名だけを記載する場合は「御中」、個人名の場合は「様」とするようにして下さい。

文頭では職場外に対するビジネス文書の儀礼的な内容として一般的な挨拶を記載し、お願いする本題については「さて」と話題を切り替えるように記載します。

相手に対して申し訳ないと感じながらもお願いしていることが伝わる文章を心がけて下さい。

回覧文

職場内で連絡事項を回覧して読んでもらう文書です。
書き方のポイントは回覧してもらう人達に共通する内容になるため、宛名の敬称は「各位」にして下さい。

内容はできるだけ簡潔にまとめ、要点がわかりやすく伝わるように本文を箇条書きにするととても見やすくなります。
回覧していない方が発生しないように、簡単にサインや捺印ができる枠を用意しておくと良いでしょう。

伝言メモ

電話連絡を受けた際に、職場内の人が席を外していた、お休みをしていた時などに伝えておくべきことをメモに書き残しておく場合があります。

伝言メモに書き残す内容はわかりやすく簡潔にまとめているほど相手に伝わりやすいものです。
電話を受けた内容をそのままメモに残し、まわりくどく長々と書き残すよりも簡潔に内容をまとめた方が好印象を与えられます。

メモに残す内容は電話があった日時と誰からの連絡だったのかを記載して下さい。
折り返し電話が欲しい、もう一度先方から電話をかけ直す、電話があったことだけ伝えて欲しいなど相手の希望を伺ってから必ずメモに残すことが大切です。

命令、指示のための文書

職場の上司から部下に対する文書

ビジネス文書の中で上司から部下に対して命令や指示するために発行する文書は、文書管理担当としてどのような書き方で文章にするべきなのかわからない部分がたくさんあるものです。

様々な文書の具体例を確認しながら、文書管理にお役立て下さい。

参考:ビジネス文書の種類

通達

職場内への通達事項を簡潔に伝えるための文書になります。
上司から部下に対して業務内容などを通達する文章を書くことになりますが、決して命令口調である必要はありません。

例えば部署内の部下に対する内容の場合は、「○○部各位」で良いです。
部署内で特定の役職だけに通達する場合は「○○課長殿」にして下さい。

伝えたい内容については簡潔に伝えるためにも見出しを付けるととても見やすくなります。
文書を受け取った人が内容をすぐに把握できる文書の作成を心がけて下さい。

規定文

職場や団体における規定=ルールを示すための文章になります。
規定文はどうしても硬い文章になってしまいますが、あまりにもくだけた言い方にならなければ硬い単語を使用しなければいけないものではありませんが、規定を決めた上層部の威厳を保つためにも法令に則って条文形式にした方が望ましいとされています。

文体で注意したいのは内容を箇条書きにすることと、文末を「である」という口調に統一することです。
箇条書きの見出しにはわかりやすいように数字を付けるのが一般的です。

指示書

上司から部下に対して具体的な業務内容を指示するための文書です。
指示書の内容としてはいつまでにどんな業務を行うのかとの内容が含まれている文章を記載します。

例えば業務の中で改善すべき点がある場合は改善指示書として、改善すべき項目と内容を記載して、いつまでに報告するように促す文書を作成することになります。

業務命令として指示する場合もあるため、語尾には「~すること」と命令口調で書く場合が多いです。

稟議書

職場内で決裁を仰ぐ必要がある事案に対して会議で決めるのではなく、文書で簡易的に決裁を促す書類を稟議書と言います。
正確には「ひんぎしょ」と読むものですが、「りんぎしょ」と読ばれている場合が多いです。

稟議書の場合はこちらから指示を出す書類ではなく、どちらかというと指示を仰ぐために必要な書類になります。
職場によって稟議書の書き方が指定されている場合があるため、まずは社内のルールを確認しておく必要があります。

一般的には会議の代わりとして必要になる書類になるため、番号で文書管理している場合が多いです。
宛名も内容によって異なるためあらかじめ確認しておく必要があります。

一番大切な内容については、どんな目的で決裁を仰ぐのか明確にわかるようにして下さい。
職場内にテンプレートが用意されている場合が多いため、正しい書き方で記載しましょう。