公文書管理検定

公文書管理のスキルアップを目指す資格

最近は公的機関から機密データが流出したり、一般企業から顧客の個人情報が漏洩したりと情報管理に対する意識をより強化することが求められており、文書管理を担当する人は今まで以上に高い意識を持つこと必要とされています。

政府機関をはじめとして企業内部でも徹底した文書管理が求められる中で、行政に関わる大切な公文書についてはより確実な文書管理を実施することが求められています。

公文書管理を行うために必要となるスキルを習得して良い人材を育成するために実施されているのが公文書管理検定です。
公文書を業務で取扱っている官公庁に勤務している職員や、自治体に勤務する公務員などに取得が推奨されていますが、行政機関と直接取引を行う一般企業の担当者にも取得が望ましい資格として認識されています。

・検定の概要

公文書管理検定は実務編とマネジメント編があります。
実務編では通常の業務内で公文書管理ができるスキルが問われ、マネジメント編は公文書管理の立案や管理を戦略的に行うスキルを問われる問題が出題されます。

他の検定で例えると実務編が初級、マネジメント編が上級に該当すると考えられます。
どちらも受験資格は設定されていないため、どなたでも資格取得を目指すことができます。

試験の日程は毎年1月と7月の下旬に実施されています。
申込み期間が決められていますが、約3ヶ月くらい前から申込み受付が開始されるためあらかじめ確認しておく必要があります。

試験が実施されるのは2014年現在では東京と大阪のみになっています。

実務編で出題される範囲は公文書に対する理解、公文書管理の実務、電子文書管理を行うために必要とされる情報技術になります。
公文書を取り扱う業務を行っている方はすんなりと学習できる内容になっています。

マネジメント編では実務編で学習する内容があり、試験範囲にも含まれています。
実務編よりも専門的な内容となる公文書管理のための方策や文書や記録管理の適性、電子文書の動向などが含まれます。

合格率

関連法規やアーカイブの経営管理についても含まれるため、幅広い内容を学習しなければいけません。
どちらもマークシート方式で解答する問題だけで、正答率が70%を超えると合格になります。

これまでの合格率を確認してみると約60%台で推移しているため、しっかりと学習していれば比較的取得しやすい資格になると考えられます。

学習方法は市販されている参考書を購入して独学するか、試験を主催している日本経営協会の通信講座を利用して学習する方法があります。

どちらも学習内容はほとんど同じですが、通信講座は添削指導も実施しているので本試験に向けて自分の苦手分野を把握できるメリットがあります。

公文書とは?

公文書とは実際にどういうものかご存知ですか?

「公文書」という言葉を聞いたことはあっても実際にはどういったものなのか知らない、という人も多いのではないでしょうか。
言葉を耳にする機会があったとしても、知らずに触れていたり公文書を扱うような職業でなければ目にすることはほとんどないものです。

公文書とは、簡単に言うと官公庁や行政法人などが作成・利用する文書のことです。
公の文書と書くように、行政に関わる公的な文書を指してこう呼びます。

また政府が管理している歴史的な文書に関しても公文書扱いとなります。
そのため、一般的な企業が作った文章は会社的にオフィシャルなものであっても、公文書とは呼ばずに「私文書」という呼び方で扱われるのです。

私文書と公文書

私文書と公文書の違いは非常にわかりやすく、行政法人や官公庁で作ったものかそうでないものかの違いです。

基本的に公務員や行政法人の職員が作成した書類が公文書となるためその職務に就いている人でなければ触れる機会はないのですが、生活や仕事の中で触れる機会があるケースもあります。

例えば戸籍謄本など役所の市民課の窓口で取得できるようなものは、公文書の写しという事になります。
これらの書類は何かの申請などの際に必要になりますが、これが公的に認められている自身の証明書類の1つであるからです。

またその他にも、官公庁に関する仕事に関わっている人であれば、官公庁からの発注書や仕様書なども公文書となります。
この場合も写しが送られてくることがあり、ほとんどが原本はその行政施設で保管されています。

公文書の取扱いの中には必ず保存というものが必要で、原本は基本的に保存し、写しを送ったり、公開する場合はファイリングしたものを公開し、コピーを取って返却するという方法が取られるものです。

コピーの取り方にも複数あって、役所の窓口でコピーを取って渡してもらえるケースと、貸出時間が決まっており時間内にコピーを取って返却する必要があるケースと、インターネット上でPDFファイルなどが公開されており、それをダウンロードし印刷するというものです。

どれも必ず「写し」の書類である旨が記載されており、原本ではないことがわかるようになっています。

公文書の扱いに関しては、窓口で受け取るときやコピーする文書の頭紙などに書いてあることが多いです。
写しであっても慎重さが必要な書類も存在しているため、特別な注意が必要な書類に関しては特に気を付けて扱うようにしましょう。