先の見えない時代だからこそ見直したい「人格主義」

「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」は、著者であるスティーブン・R・コヴィー博士の没後1年を機に、新たに翻訳をされた新装版です。

日本で出版されたのは2013年8月で、キングベアー出版から出版をされています。
原書は全世界で3000万部を超える大ベストセラーとなっており、新装版以前にも日本では180万部を超えるヒット書籍でした。

しかし旧版では完全に原書の意図した内容で翻訳をされている訳ではないとの批判もあり、ベストセラーになったことで部分的に誤った箇所を修正すべきという意見が多く出されるようになったのです。

そこで新たに出版されることになったのが「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」で、特に「人格主義の回復」という言葉に原書でメインテーマになっていることが集約されていると言います。

本の中では「7つの習慣」として人が行うべき習慣を7つに分類をして、それぞれの意味を説明しています。

主体的である(パーソナルビジョンの原則)
終わりを思い描くことから始める(パーソナルリーダーシップの原則)
最優先事項を優先する(パーソナルマネジメントの原則)
Win-Winを考える(人間関係におけるリーダーシップの原則)
まず理解に徹し、そして理解される(共感によるコミュニケーションの原則)
シナジーを創り出す(創造的協力の原則)
刃を研ぐ(バランスのとれた自己最新再生の原則)

というのが具体的な7つの事項として挙げられており、これをすべて実行していくことが「人格主義の回復」につながるとしています。

現代はダイバーシティなど多様化や個性を重視する時代ですが、そこでついつい誤って考えてしまいがちなのが「個性主義」ということです。

自分の個性を主張することと社会性を維持することは異なっており、そこで「人格主義」という考え方が必要になってきます。

人としてのマインドを確立する事こそが豊かな人生を送るポイントになるとこの本では言っており、一つずつでも実行していくことが推奨されています。

漫画版でも出版されています

ちなみにこの「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」は、旧版とともに漫画版が出版されています。
旧版は「7つの習慣-成功には原則があった!」というタイトルとなっており、翻訳も主に「人生を成功させるための方法」という風にまとめられています。

漫画版は本書で紹介されている7つの法則を1つずつ1冊の単行本にしており、亡き父の姿を追ってバーテンダーを目指す女性が主人公の、わかりやすいストーリー展開です。

原書は非常にボリューム感があり翻訳書なので所々にわかりにくい箇所もありますが、漫画版では導入部から入りやすく理解しやすい形で提示してくれています。