ナレッジマネジメントと文書管理の関係

ナレッジマネジメントとは?

企業内である社員が蓄積したノウハウや作業を、全員で共有することをいいます。
特定の人が、業務を担当することは多いですが、他の人と情報を共有するなどしないと、その人物にしか把握できません。
会社に属している間は良いですが、その人が退社すると、業務が進まなくなり、最初からやりなおさないとなりません。

これは属人化していまうこととなり、短期の業務ではさほど支障はないですが、長期化するほど、対象となる人物がいなくなれば、会社へのダメージは大きいです。
また、せっかくノウハウや業務を蓄積してきたとしても、属人化すると、他の人にノウハウが伝わらず、人材育成が出来ません。

または専門性のある仕事だと、その人物に頼ることとなり、他の人は対象の仕事をしたくても、やり方がわかりません。
言い換えればブラックボックスになっているとも言え、これは業務のみならず、文書管理にも当てはまります。

文書管理での場合

文書管理でも、取り組みについては、いくつかあります。
情報資産は会社にとって重要なものであり、文書管理は行っていかないとなりません。
しかし単に文書を共有したとしても、いくつか問題が発生します。

まずは探しにくいということがあり、いくら共有しても、管理状態を統一しないとなりません。
社員ごとに自分のルールを作っていることも少なくなく、会社でのルール統一を行うべきです。
文書をまとめるにしても、一定の規則をもって統一します。

また文書共有では重複することも少なくありません。
一度作成した文書を、訂正して新しく共有すると、古い文書も残ることがあります。
とりあえず保存しておこうと思っても、他の社員から見ればゴミであることも多く、たいがい後に使うことはありません。

さらには、単純に共有するだけだと、誰でも文書を見られます。
重要な文書なども誰でも見ることができ、他の人に見られるので、文書共有をしない社員もいます。

文書共有について

まずはどの文書を共有するか、選別しましょう。
誰がどの情報を必要としているのか選別し、社員によっても使う文書は違います。
探しやすいように文書はグループで分けて、部署やプロジェクトごとに分けます。
機密文書とするならば、札を付けるなどして分けておき、機密用として別に保管しましょう。

このようにして共有し、誰でも見て良い文書は、社内全員で共有します。
ただ共有しても、社内の人間が変わる、部署が増えるなどすれば、また新しい変化に対し、どう文書を共有するか考えます。
一度文書管理を行えば終わりではなく、新しい変化にも対応しないと、古い情報が溜まるばかりになります。
変化に対応しないと、情報へのアクセスが出来なくなります。

契約書を上手にファイリングする方法

効率的なファイリング方法

契約書などの書類は、ファイリングして管理することも多く、それは一定のルールに基づき行います。
好きかってに行うと、どのファイルがどこにあるのかわからなくなり、探しにくくなります。
方法としては1つに限らず、いくつかあり、社内で使いやすい方法を活用します。

・名前別

取引先相手の名前、担当ごと、商品ごとなど、それぞれのジャンルで区切ってまとめる方法です。
分類としては、図書館のように「あ」から順に、あいうえおと区切っていきます。
これはもっとも一般的なまとめ方と言えるでしょう。

・主題別

何が書かれた文書であるか、その内容によって分けます。
契約書であれば、契約先、施設設備などになります。

・形式別

形式別に分ける方法であり、契約ジャンルの違いにより分けます。
例えば個人向け、法人向けや、月額契約や都度契約などです。

・標題別

契約書のタイトル別に分ける方法です。
ただし契約書は、件名が長いので、この方法は不向きかもしれません。
インデックスとして役立つかもしれません。

・案件ごと

その契約内容の初めから終わりまでを、一通りまとめる方法です。
大きなプロジェクトなどだと、この方法でまとめると管理しやすいですが、案件が多いと、ファイルが増えていきます。

・日時別

契約日時でまとめる方法です。

どの方法でまとめるかは、その契約ごとに適した方法を使う、社内でまとめ方のルールを決めるなどあります。
どのような契約に関しても、1つの方法だけでなく、複数組み合わせて管理することが多いです。

またまとめる方法としては、上司が一括で契約ごとに、どの方法を使うか決めるか、または契約ごとに担当者が決める方法があります。
これもどちらが良いかは、それぞれ利点もデメリットもあり、上司だと部下の不満が出る、都度ごとだと他の人の異議で決まらないことがあります。

データベース化

どのような契約書にしても、どんなまとめ方を決めたとしても、問題は発生するでしょう。
紙の契約書は、1つしかなく、置き場所も必要となってくるので、会社内で保管するとなれば、場所決めが重要です。
部署があれば、他の部署だと使いにくくなり、快適に使える部署でも、人によって管理方法が違います。
社員ごとに使いやすい方法が違うので、全員の納得する方法を探すのは難しいこともあります。

その対策として、1つはデータベース化することも出来ます。
これは契約書を電子データにして、パソコンで一括して管理する方法です。
データベース化すると、電子データなので、置き場所が必要なくなり、また検索システムがあれば、いつでもすぐに探せます。
まとめ方も、難しく考える必要なく、ファイル名などで管理すれば良いです。

文書管理は専門家に頼む?自分でやる?

専門家の役割

文書管理のコンサルタントも存在し、管理を任せることが出来ます。
顧客からのヒアリングに始まり、問題点を洗い出し、要望を分析、そして解決までのプロセスを設計します。
いくらコンサルタントといっても、会社の文書管理を行うのは社員仕事であり、代行するような役目ではなく、管理のための道筋を作ってくれます。
しかし、計画を立てないと管理は始まらず、計画からまず始めることになります。

もしも管理するための最初の一歩がなかなか出ないとなれば、コンサルタントを使うのも良いでしょう。
いくつもの事例を扱ってきているので、会社の人に、出来そうな道筋を作ってくれます。

道筋を立てるのと同時に、コンサルタントは社員のやる気も引き出します。
特に文書が溜まってしまい、営業など、普段文書に触れる機会の少ない社員ほど、やりたくないと思うことも多いです。
そのような人たちの気持ちを考え、やる気を出させてくれるのも、コンサルタントです。

顧客の依頼した内容の問題を明確にして、文書管理を行うメリットを出し、社員の意識を改革し、会社組織が1つとなり楽しみながら管理が出来るようにします。
管理を行うと言っても、嫌々では十分に効率が出ず、一度行えば終わりになってしまいます。
そのために、管理する社員がやる気を出すことが、まず最初にやるべき事です。

依頼する時のメリット

文書管理は、何もコンサルタントに依頼しないと出来ないということはありません。
社員が自主的に行うことも可能となっていますが、依頼するメリットはあります。
また社員が行うと、依頼コストを使わずに済み、依頼するかどうかは、その状況で判断することになるでしょう。
社員のみで行うと、計画通りに進められないと、行程に狂いが生じるなど、デメリットもあります。

・効率的に手順を示してくれる
・社員のやる気を引き出す
・教育プログラムがある
・社内の社員ごとの考えの違いを吸収する

このようなメリットがあります。
しかし、もちろんコンサルタントに依頼するデメリットもあります。

・依頼費用がかかる
・コンサルタントの質が依頼するまでわからない
・契約期間があり、延長はコストが余計に発生する

この反面、自社で依頼せずに行うとなれば、依頼費用がかからない、期間を考えず管理を行えるなどありますが、それには知識が必要です。

これらのメリットやデメリットの両方を踏まえて、依頼する方が良いのか、それとも自社で自分たちだけで行うべきか決めることになります。
依頼するべきかどうかは、やはり社員のみで行える知識があるか、やる気があるかにかかっています。
また、計画段階だけを依頼し、設計は自分たちで行うなど、管理にしても部分的に依頼する事も可能です。